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イギリスの教科Computing

小学校のコンピュータ教育が最も進んでいる国の一つがイギリスである。イギリスでも1995年までは独立した教科としてコンピュータ教育を行っていたわけではなかった。また、他の国と同じように、ICTリテラシに重点を置いた指導を行っていた。2010年頃から、コンピュータサイエンスが深く学習されていないという政府内や産業界からの指摘をうけ、2014年9月からComputingという独立した教科を設け、小学校1年生から週1時間、プログラミングを含むコンピュータサイエンスやコンピュータリテラシを教えるカリキュラムを導入した。以前はコンピュータをうまく活用できることを目標にしていたが、この改訂で、コンピュータがどのように動いているかを理解し、どうすれば望むように動くかを学ぶという方針に大きく方向転換した。

公立の小学校で一年生からコンピュータ教育を行い、コンピュータサイエンスに関する内容を扱うというのは、かなり思い切った教育政策に見える。イギリスでは5歳から小学生になるので、尚更である。

ナショナルカリキュラムでは、KS1-4の教科Computingの学習の目的を、以下のように定めている。

良質のコンピュータ関連教育(computing education)によって、世の中を理解し変化を起こすような計算論的思考(computational thinking)と創造性を身につけることができる。

Computingは、数学、科学、デザイン、テクノロジーと深い関連性があって、自然界の、あるいは人工的なシステムの両方に対する洞察を与え る。

Computingの中核となるのは、計算機科学であり、情報と計算の原理、デジタルシステムがどのように動くか、また、その知識をどのように 使うかをプログラミングを通じて学ぶ

その知識と理解をベースに、情報技術を使ってプログラムやシステムやさまざまなコンテンツを作れるようになる。

Computingを学ぶことで、デジタルリテラシーを身につけることができる。デジタルリテラシーとは、将来つく職業である程度役立つレベルで、また、デジタル世界の主体的な参加者として、ICTを使って自分を表現したり構想を練ったりできること。

一方、日本の学習指導要領案では、コンピュータ教育は高校に入学するまで単独の科目としては扱われない。小学校では、情報活用能力の育成のためにプログラミングを体験させ、論理的思考力を身につけることを目標にしている。

どの年齢からコンピュータ教育を始めるかは、国によって様々かもしれないが、高校卒業まで、あるいは大学卒業までには同じレベルの能力を身につけられなければ国際競争力を損なうことになる。イギリスの子供が高校を卒業するまでに身につけることを、日本の子供たちは高校を卒業するまでに習得できるだろうか。

Switched on Computing という教材に関して手に入る情報から、イギリスの小学校で何を教えているかを調べてみたい。