Switched on Computing (2)
Switched on Computingの内容を見ていくと、プログラミングおよびデバッグは全体の約3分の1を占めていて、その他にデジタルリテラシーに関する内容が含まれることがわかった。
プログラミングに関する単元がどのように設計されているかに注目してみると、
- 1年生では、Bee-botのような玩具を使ってロボットに予め命令(プログラム)を与えておいて自動的に動かす体験をさせる。幼い子供が初めてプログラムの概念を身につけるには、いきなりコンピュータを触らせるのではなく、できるだけ単純な道具を使うのが望ましいということだろう。
- 2年生では、1年生のときに身につけた概念をベースにして、Bee-bot を決められた目的地に移動させるプログラムを作り、また、同じようにScratchでスプライトを目的地に移動させるプログラムを作る。
- 3年生では、アニメーションの絵コンテを作り、Scratchのスプライトでそれを表現する。スプライトの動きを表現するために繰り返しブロックを使う。また、期待通り動かないScratchのプログラムをいくつか見せて、どのようにすれば期待通り動くようになるかを考える。
- 4年生では、クイズ形式のScratchプログラムを作る。条件ブロックと変数を扱う。
- 5年生では独自のキャラクタや音声を使ってオリジナルのコンピュータゲームをScratchで作る。
- 6年生では、テキストベースの簡単なゲームを作りながら、Pythonの基本的な使い方を学ぶ。(ナショナルカリキュラムでは、テキストベースのプログラミング言語を扱うのはKS3からでよいことになっている)
そして、全体をとおして以下の課題を与える。
- プログラムのロジックを説明させる
- 論理的な理由付けに基づいて、プログラムを動かした場合の結果を予測させる
- デバッグさせる
学校によって、Switched on Computingに収録されている内容を順に教えることもあるだろし、必要な単元だけを選択的に授業で扱うこともあるだろう。
授業のスタイルについては、先生によってレクチャー的にもアクティブラーニング的にもできるのではないだろうか。Switched on Computing には、所々に有用な情報へのリンクがあるので、それらを使って内容を膨らませることもできる。